電話ボックスなんて日本にいるときは眼中に入らないことが多いのですが、英国を旅しているとなぜか目に入ってきます。
かける相手もいないのにかけたくなる雰囲気をもっているからなのかもしれません。
1 Old Market Hall
1 Old Market Hall
 
人影のない場所に立つテレフォンボックス。昔なじみの懐かしい人に電話したくなるイングランドの昼下がり。
 
2 By the Postbox
2 By the Postbox
 
すっかり携帯電話時代になり、公衆電話の数も減りました。ですがそれは日本での話。英国の公衆電話は健在。
 
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さあ、どうだ、といわんばかりの5台。
 
4 Sunset
4 Sunset
 
電話したくなる気持ちを抑えてすごした日々。
声をききたいのを抑えるから会って肉声を聞けたとき新鮮なのです。
 
5 Sunrise
5 Sunrise
 
携帯電話のなかった時代、電話して必ずしも本人が出るとはかぎらない。
だから電話するのを躊躇することもありました。でもそこがよかった。
 
携帯電話なら、よほどのことでもないと本人が出るでしょう。そこが安直すぎる。
 
6 Birds
6 Birds
 
古き良き時代、電話をかける行為はときめきでした。
緊急時に携帯電話は威力を発揮するのですが、ほんとうの緊急時って一生に何回あるでしょう。
緊急時にアクセスが殺到し、回線不通になるトラブルは年中行事。
ということで、緊急時に威力を発揮するかどうかは不明であるというのが本当のところ。
 
携帯メールをすり切れるほど利用する御仁もいて、危ないのは歩きながら、あるいは自転車を
こぎながらメールする御仁。よそ見して歩行者にぶつかる迷惑は、迷惑メールよりさらに迷惑。
 
7 Village
7 Village
 
電話があって、ベンチがあって、やさしい緑につつまれて。1960年代を想起させる風景。
携帯電話は物語を生まないけれど、電話ボックスからは物語が生まれてきそうです。
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古式ゆかしいというのもヘンですが。
 
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使えるのか使えないのか、ちょっと試したくなる電話ボックス、ひっそり佇む。
 
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電話で長話するには料金が高すぎる時代だったので用件を手短に話したものです。
ところが、なかには電話をかけてきて、「お願い、かけ直して」と言うなり切る女優もいたりして。
 
月9万円の電話料金を払ったこともありました。首都圏〓京阪神の通話料3分360円の時代。
(自分専用の電話をひいていた。昭和51年春、大卒の初任給が税込み12万円)
女優と付きあっていたわけでもなく、単に幼なじみ。当時の女優、迷いモードに陥っていたのか、
おしゃべりは長かった。月々の通話料金の高さを慮るとホットラインどころかコールドライン。
それで結局、彼女は男優と結婚しちゃいました。
 
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雪よ、ふれふれ。
 
ツーアウト・ランナーなしという局面で役に立つ携帯電話も、ノーアウト満塁といった局面ではほとんど
役に立ちません。ふだんぼんやりしている人が危機に直面したとき思いもかけない力を出すことがあります。
電話もかくありたいものです。その点、民主党というピッチャーはダメ。説明は要らないでしょう。
 
 
12 Dorset
12 Dorset
 
使われるのでしょうか、この電話。
 
 
 
13 Chipping Norton
13 Chipping Norton
 
少しずつ日が長くなり、もうすぐ影にすっぽりおおわれます。
 
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赤の上に青を塗った形跡のあるような。
 
その人の「人」と「なり」はこちらがアクションを起こし、相手のリアクションを
みてからでないと判断しがたい面があるように思います。
 
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これは最初からこういう色であったのでしょう。
 
テレフォンカード
テレフォンカード
 
10ポンドで12ポンド分利用できるテレフォンカード
英国旅行の必須アイテム
なつかしい響きでしょう、テレフォンカードなんて。
 
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たまにはこうした色に出くわします。
 
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見通しのよい場所。
 
18 village
18 village
 
見通しはいいのに、見通しのよくないところ。
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またいで行けというのか この場所で。
 
20 Padstow
20 Padstow
 
おなじみコーンウォールのパドストウ。新鮮な魚介類を供するレストランの数多し。
小さな漁村(人口約2500人)ですがシーフード目当てに食客の来る、来る。
 
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この種の色とデザインのボックス、スコットランドの小さな町や村でよく目にしました。
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23 Covent Garden
23 Covent Garden
 
みな忙しそうにしています。電話ボックスは空き家。
 
24 West Yorkshire
24 West Yorkshire
 
建物に合わせて置かれたのでしょう。
 
25 Rye
25 Rye
 
建物とのアンバランス。
 
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長期休暇なのか閉店したのか、判然としない小さなレストラン。
 
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多くを語りますまい。
 
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外国人労働者のいない過疎地帯。ここで電話する人は少ないと思われます。が、撤去しない。
携帯電話を持たない旅行者、車や自転車で移動する人、ハイカーなどのために。
 
29 Haworrth
29 Haworrth
 
「嵐が丘」のエミリー・ブロンテの生家で知られる町。
 
世代の格差というのはやっかいです。しかし世代の格差は厳然と存在し、
われわれは自分に適した時代しか生きられないのかもしれません。
 
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総じていえることはただ一つ。携帯電話は便利ですが、携帯電話のなかった時代に生きてこられてよかったということです。