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正午過ぎという時刻がよかったのか 時節柄なのか ほかの理由か定かではないが
この日この時刻 愛宕念仏寺は私たち二人の貸し切りだった
醍醐天皇の勅願により911年の創建時 愛宕寺と命名され 1922年に東山区から移転された
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1981年、西村公朝住職は仁王門復興を祈念 境内に石の羅漢を列すべきとの一念を抱き
1991年11月 千二百羅漢落慶法要を営む 当初は五百羅漢のはずが徐々に増えたという
石造羅漢は1200名の参拝者が西村公朝住職の指導の下 自らの手で彫り刻んだものであり
訪れる人々に安らぎをもたらしている
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西村公朝(1915−2003)といえば若くして美術院国宝修理所に入り 三十三間堂十一面観音の
修理に参画するも 1942年の召集により中国で参戦 復員後ふたたび三十三間堂修理に携わる
美術院国宝修理所長 東京芸大名誉教授を歴任するが 私たちには「仏像の再発見」や「仏像を語る」
などの著者として親しい存在である
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灯篭の左が本堂 本堂は重要文化財指定 方五間 単層入母屋造り 鎌倉時代の様式をとどめる
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モアイ像のように空を見上げる
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左は本堂 右は多宝塔
化野念仏寺は千灯供養の8月下旬にみるべきものはあるけれど ほかの時期は特にないように思う
しかし愛宕念仏寺なら季節を問わないのではないでしょうか
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修学院離宮(15:00参観)へ移動しようとした矢先 異国の若い旅人が仁王門をくぐろうとしていた
寺院を拝観して心に残るのは 建築物や仏像 庭園もさることながら 自分のほかに人がいないという
理由からかもしれない 幸いなるかな羅漢と独り対峙できて
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