ウェスト・サセックス州の東端に位置するウェイクハースト・プレイスはアーディングリー村(人口約1900人)から3キロ弱の徒歩圏内。
レンタカーならブライトン(40分)や、ロンドン(70分)からでも気楽に行けるが、鉄道ならヘイワーズ・ヒース駅(ロンドン・ヴィクトリア駅起点)
で下車、駅前から2時間に一本しかないバスに乗り15分で到着。
 
ウェイクハースト・プレイスの管理はナショナルトラストが、運営はキュー(Kew)王立植物園がおこなっている。
敷地面積は500エーカー(約61万3千坪)、1903年から33年を費やしジェラルド・ローダー(後のウェイクハースト卿)が造園。
1963年にはボタニック・ガーデンも追加し、1965年、ナショナル・トラストの所有となる。
 
ボタニック・ガーデンの案内板。2016年10月下旬。
 
 
ニフォフィア
ニフォフィア
 
ニフォフィアはアフリカ原産のユリ科植物。10月に入って亜熱帯の植物が屋外で見られる。
同時に温帯落葉樹の紅葉も見ることができる。
 
 
ゴルテリア・ムクロナタ
 ゴルテリア・ムクロナタ
 
チリ、もしくはアルゼンチン原産のゴルテリア・ムクロナタはツツジ科で、
日本でも見られるシラタマノキ(白玉の木)になる実のように白ではなく赤色。
 
ゴルテリアの実は甘く、ヨーグルトとも相性がよく、一緒に食べると美味。
それにしても、葉のかたちはちがっているけれど、実だけ見ればコケモモ、
もしくはミニトマトに似ています。
 
 
パンパス・グラス
パンパス・グラス
 
パンパスの草ということだからアルゼンチンの大草原から来たのでしょう。綿菓子に似ている。
 
 
 
ロンドンの南60キロ、ブライトンの北30キロに位置するウェイクハースト・プレイス。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
一瞬、落葉にまぎれて。服のブルーがグリーンであればなおさら。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ウェイクハースト・プレイスがほかと異なるのは第二次大戦のさなか、ここの地下に隠れ家がつくられたことである。
隠れ家は小さな無線局で、ナチスドイツの執拗なロンドン空襲に対抗するにはロンドンから離れた地点に小規模施設を
こしらえる必要があったのだ。その名もウェイクハースト・ゼロ。目的はナチスの軍事情報の傍受・解析。
 
記録にはアーディングリー村につくられたとなっている(アーディングリー・ゼロ)が、実際はウェイクハースト・プレイスに
つくられ、この掲示板はナショナル・トラストとキュー・ガーデンズ(王立植物園)によって数年前掲げられた。
 
☆ウェイクハースト・ゼロは1944年に閉鎖され、この施設も機密扱いだったことから数年前まで公表されなかったという☆
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ススキ
ススキ
 
嵯峨野の二尊院から落柿舎に通じる小道の小倉山側にこれと似たような風景がある。
風がはこんだ微粒子がちょっとしたススキガ原をかたちづくる。いずこも同じ秋の夕暮れ。
 
1ヶ月半も経てば下のススキに近い状態になるのだろうか。
 
嵯峨野
嵯峨野
 
2006年12月11日、冬の嵯峨野。
 
 
 
キュー王立植物園がウェイクハースト・プレイスに期待するのは森林地区の
整備、充実かもしれないと思った。
 
61万坪の敷地は他州の庭園の敷地と較べて小さくはないが、特段大きくもない。
ストウヘッド(ウィルトシャー州)のように324万坪といった広大な敷地を有する場所が
英国にあるからだ。問題は敷地をどのように区画整理し、利用するかである。
 
年間予算とにらめっこし、何を優先させ、計画を組合わせ、運営してゆくか。
10年後、20年後はどうなっているのだろう。